[本] 心はプログラムできるか
有田隆也
という本を読みました。人工生命についての面白コラムとでも言うべき内容でした。タイトルは怪しいですが、裏側の「小さな人工世界が心に迫る大きなビックリ!」というコピーが的を得ています。簡単な人工生命によって生物の進化を単純化しモデル化することで、生物にとって心とは何かが見えてくるというなんとも不思議な本でした。学術書のように硬くなく、ページ数も1日で読めるくらいですが、読み進めるうちに「ぉおお!」と科学的な感動が得られます。
ちなみにここでいう人工生命とは、簡単なプログラムで表現された生命を動かし成長していく様を観察する研究です。コンピュータの世界での研究ですが後述のように、なぜそれが正解か分析できない事象が多く、神秘的でもあります。ここから発展した遺伝的アルゴリズムなどがさまざまな分野で複雑な問題の解決に利用されています。
以下、本の内容を何回かに分けてご紹介。あまりにも深すぎて断片的な紹介しかできませんが。
- 生命とは
人工生命の研究の祖、ラングトンは「生命の本質が物質ではなく状態変化の情報プロセスそのものにあるのではないか」と直感した。
もはや哲学ですね。(ラングトンが哲学と人類学を専攻していたことに納得。)
それが正しいかどうか自分に確かめる術はありませんが、的を得ているように感じます。
時々「ある生物を物質レベルで完全にコピーした物に生命は宿るか」という問題について漠然と考えることがありますが、この前提では状態変化が再現しないと宿らないということになります。なるほど。
- ラングトンの蟻
簡単な固定のルールで動く仮想的な蟻をプログラム上で動かすデモ。
こちらで実際に動きが見れます。
中川雅央 付表:ラングトンの蟻 Langton’s ant
この蟻は自分のいる場所が白なら黒く塗って右に、黒なら白く塗って左に進むだけです。
しばらくは蟻が迷うように無秩序に動いていますが、回数が1万を越えたあたりから突然規則正しく決まった方向に動き出します。まるでこの蟻が進化し、何かに突然目覚めたような印象を受けます。
※実際はたまたま安定したパターンにはまり込んだだけですが。
このデモから、単純なルールから予測不可能な複雑な事象が生まれることがわかります。(このことを創発主義と言うそうです。)
また逆に、複雑な事象を分解していき単純な内容まで解明したとしてもそこからそれがなぜ起こったかが説明できない場合があるということもわかります。
自分はある出来事についてその原因がなんだったのかを考えるには、出来るだけ細かく分解し単純化し、原因究明を行うのが唯一の方法と考えていました。もしそれで解明できないことがあれば、それは分解が足りないか分け方が間違っている場合なのだと。なのでこの考えは衝撃でした。
※内容に過ちがあればご指摘ください。








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