[本]おもてなしの経営学
MicrosoftでWindows95,98、IE3/4など主要なプロダクトを開発された中島聡さんの本。ブログ「Life is beautiful」でも有名です。
サブタイトルは「アップルがソニーを超えた理由」ということですが、本の内容はそれよりもWindows、IEの開発に深く関わられた筆者が、過去
を思い返しながらこの業界の未来を占うといった内容が厚く書かれています。
その時その場所で実体験された感覚から語られるお話に重みを感じました。
海外でのご活躍、日本と海外
の対比など、内容的に「伝統の逆襲」との共通点も多いです。
移り行く主役
本の中で、古川亨さんと中島さんのアスキーからマイクロソフトでの仕事ぶりやWindowsの黄金時代などが語られていますが、読んでいて強く感じるのは、この業界の覇権は数年毎に入れ替わってきたし、これからも入れ替わっていくのだろうということでした。
10年以上前はsunがこの業界の中心でした。その後Microsoftが席巻し、Windows+Intelが中心となり、その後にCiscoが躍進した時期もありました。で今はgoogleやamazonが世界を動かしているかのように言われています。この流れは見事にハードウェア→ソフトウェア→ネットワーク→ネットワーク上のサービスというメインストリームの移り変わりと一致しますね。
Googleの成長ぶりはこれからも彼らが中心でありつづけるかのような錯覚に陥りますが、上記のようにいずれ次のアーキテクチャを代表する企業へ主役を譲ることになるのでしょう。
appleの強み弱み
今のapple
の成長要因は中島さんの意見では「ハード、ソフト、サービスにまで一貫されたおもてなし」だということですが、それは確かにこの流れの先にあるものと言えるかもしれません。
ちなみに、これは安定したビジネスかというと、むしろ油断のできないモデルのようにも思えます。おもてなしとはテクノロジーでは
なくサービスポリシーなので、体系的に引き継ぎづらいものだからです。jobsの引退後に継続することはなかなか困難なように思えるので、ある意味一世限
りの芸術的な活動ともいえるかもしれません。
(ディズニーやリッツカールトンのクレドの例のように、引き継いでいけるかもしれませんが。)
気になったところ
以下、本中より気になった箇所を抜き出します。
- 見たい番組は放送後に知ることが多い。だからYOUTUBEは需要があった。
YOUTUBE開始当時は色々とアップされていて、確かにそういった需要がありました。
現在のHDDレコーダーなどはタイムシフトといっても全局をプールしておけるわけでなくピンポイントでの録画なので、放送後に知る番組にはほとんど対応できません。やはりVOD的なサービスが欲しいところです。
そういえば最近は新しいドラマでも1週間後に再放送するケースが増えています。そういう意味では利にかなってると思います。というか、もっとやってほしい。
- 2002年のソニーには今のアップルになれる力があった。
結局のところは、出井氏を中心とするスーツ族(ソニー内部では「文官」と呼ばれていたそうである)が久夛良木氏を代表とするギーク族(もしくは「技
官」)の心をつかむことができず、せっかく出井氏が持っていたビジョンを実行することができなかった、というのが私なりの解釈である。
- ジョブスについて
ただジョブスはこの十年で変わったよ。以前の彼は自己主張のために平気で相手を傷つける人間だった。今は違うからね。病気にかかったことや家族を持ったこと
で多くを学んだと思う。自分に与えられた時間の中でくいのない人生を送ろうと自覚したあとに、一回り大きな存在になった。
ここにグッときました。そういう人を愛しくおもいます。部下にはなりたくないですが。:P
- Life is beautifulは映画のタイトルから取った。
やっぱり!自分もその映画に感じ入りました。
ちなみにここのドメインも映画名から取ってるわけですが。。。(^^;
などなど、ばらばらとご紹介しましたが本では面白いエピソードがたくさんあります。
iphoneがもうすぐ出るこのタイミングでぜひ読んでみてください!







