[本]謎の動物の百科
世界珍獣図鑑の今泉忠明さんの本。
ネッシーなど、いわゆるUMA(未確認動物)について、動物学者の筆者がその見解を語る本です。
表紙がおどろおどろしくオカルトっぽいので躊躇しましたが、作者が今泉さんということで読んでみました。やっぱり期待通り面白い。
消えゆくUMA
UMAは、UFO(未確認飛行物体)などと同じくその手のミステリアスな話ですが、UFOに比べると分が悪く、廃りつつあります。
分が悪いとは、UFOは証言や記録に無理があっても対象が未知のものであるため無理やり説明付けることができる、ある意味何でもありな世界なのに対し、UMAは生物である以上その枠を超えることができず、無理のある発見はすぐに間違いと判明してしまいます。
そこが生物の棲める環境か、巨大な生き物の場合はえさが確保できるのか、種として維持できるだけの数がいるのか、死骸もあわせ今まで発見されなかったことがありえるのかなど、なかなか敷居が高いです。
とはいえ、これらが全てオカルトかというとそうでもなく、いまだに未知の生物が発見され続けていますし、ゴリラやパンダ、コビトカバやオカピなども長らくUMAとして現地の人に語られていた生き物でした。また深海では、ちょっと水揚げすると数百種類の未知の生物がみつかったりしています。まだまだ人間の知らない生物がたくさんいるわけです。
本書ではそんなUMAの発見事例について、動物学的見解と未知かどうかの可能性を添えるとともに、もしいるとするとどんなものが考えられるか、割と暖かい目で語られています。
モケレ・ムベンベ
一番おもしろかったのはモケレ・ムベンベの話。
これはアフリカの熱帯雨林にすむというブロントサウルスのような生き物のうわさです。現地の人がしばしば見かける、首が長く大きさが象くらい、体がカバっぽい生き物でして、話を聞いた動物学者が現地の人にブロントサウルスの絵を見せたらそれに似てると答えたそうです。
うさんくささ満載ですが、目撃の記録は色んな時代、文化、種族の人々から得られており、見た目についても大体話が一致しているとの事。未知かどうかは別にしても何かがいるのは間違いなさそうです。
そもそもアフリカでは、恐竜と同じ頃(6500年前)に絶滅したと思われていたシーラカンスや2000万年前にやはり絶滅したはずのオカピなども発見されていますのでなんかいてもおかしくない環境ではあります。
本の中では恐竜の生き残り説は無理があるものの、哺乳類の祖先であるモロプスやインドリコテリウムなどではないかとしています。
その他の話
・恐竜の生き残りはいない
白亜紀末期には哺乳類、爬虫類、両生類などもいる中、なぜか恐竜とアンモナイトだけが選択的に絶滅している。これは恐竜自体の生理的機構に原因があったと思われる。(ので、例外的な生き残りがいるとは考えづらい)
・家畜の条件
ウシ・ウマ・イヌなど人が飼いならした動物は、人のいうことをきくかどうかよりも近親交配に強いことが最重要。
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